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2026年の敬老の日は9月21日(月・祝)です。毎年この時期になると、何を贈ればいいのか分からないという相談をよく受けます。健康食品は好みが分かれるし、花はもらいすぎている。手紙だけでは物足りない気がする。
福祉・介護の現場にいると、家族から贈られたものが実際に使われているかどうかを、その後ずっと見ることになります。この記事では、現場で「これはよかった」と感じるものと、正直あまり使われていないものを、率直にまとめます。
選ぶときの3つの基準
1. 毎日使うものかどうか
年に数回しか出番のないものは、しまい込まれて終わります。逆に、毎日必ず触れるもの(履くもの、座るもの、飲むもの、明かり)は、使うたびに贈った人のことを思い出してもらえます。
2. 本人が今できることを増やすか、減らさないか
介護の視点でいちばん大事なのはここです。「できることを代わりにやってあげる道具」より、「自分でできる状態を続けられる道具」のほうが、結果的に喜ばれます。自立を助ける方向の贈り物は、本人の自尊心を守ります。
3. 説明なしで使えるか
多機能な家電は、設定が難しいと使われません。ボタンが少ない、電源を入れるだけで動く、文字が大きい。この3つを満たしているかどうかを見てください。
現場で「よかった」と感じる贈りもの
室内用の靴(介護シューズ・リハビリシューズ)
高齢者の骨折の多くは、家の中での転倒がきっかけです。スリッパはかかとが固定されず、つまずきの原因になります。かかとを包む室内用シューズに替えるだけで、転倒のリスクはかなり下がります。
選ぶポイントは、面ファスナー(マジックテープ)で開口部が広く開くこと、底が薄すぎず滑りにくいこと、そして本人が自分で履けること。むくみがある方は、幅の調整ができるタイプが向いています。
軽い電気ケトルと、注ぎやすい急須
お茶を飲む習慣がある方は多いのですが、やかんが重くなって危ない、という場面をよく見ます。軽くて自動で止まる電気ケトルは、日に何度も使う道具です。1リットル以下の小さめのものが扱いやすいです。
大きく表示されるデジタル時計・カレンダー
日付と曜日が大きく出るデジタル時計は、想像以上に喜ばれます。特に一人暮らしの方は、曜日の感覚が生活のリズムを作ります。「今日が何日か分かる」というだけで、通院や薬の管理がしやすくなります。
握りやすい食器とカトラリー
手の力が弱くなると、普通の箸やスプーンが持ちにくくなります。持ち手が太くて軽いカトラリー、縁が返っていてすくいやすい皿、滑り止めのついたマット。こうしたものは、食事の時間を「介助される時間」から「自分で食べる時間」に戻してくれます。
見た目が介護用品っぽくないものを選ぶのがコツです。木製や陶器風のデザインなら、食卓に置いても違和感がありません
足元を照らす人感センサーライト
夜中のトイレは、高齢者の転倒が最も起きやすい場面です。廊下やトイレの前に人感センサーライトを置くだけで、事故のリスクが下がります。電池式なら工事も要らず、貼るだけで設置できます。
これは停電時にも役立つので、防災を兼ねた贈り物にもなります。
軽くて温かいひざ掛けとルームソックス
高齢になると体温の調整が難しくなり、9月でも夕方は冷えます。重い毛布より、軽くて薄いのに温かいものが好まれます。洗濯機で丸洗いできるかどうかは必ず確認してください。
好きなものを、少しいいものにして贈る
新しいジャンルのものを贈るより、いつも使っているものを少し上等にするほうが確実に喜ばれます。いつものお茶、いつもの菓子、いつものタオル。「よく分かってるね」と言ってもらえるのは、たいていこちらです。
防災グッズを敬老の日に贈るという選択
少し意外に思われるかもしれませんが、実用性という点では非常に理にかなっています。高齢者だけの世帯は、防災の備えが手薄になりがちだからです。重い水を買いに行けない、情報が入りにくい、避難に時間がかかる。
- LEDランタン(停電時に部屋全体を明るくできる)
- 電池式ラジオ(情報源として最も確実)
- 長期保存水の箱(重いものを届けてあげるという形の贈り物)
- 携帯トイレ(断水時に最初に困るもの)
- モバイルバッテリー(充電済みで渡す)
贈るときに一緒に使い方を試しておくと、実際に使える備えになります。
正直、あまり使われていないもの
これは批判ではなく、選ぶときの参考としてお読みください。
- 多機能なマッサージ機:大きくて重く、置き場所に困って使われなくなることが多い
- 高級な健康食品:味の好みと、他の薬との兼ね合いで手をつけにくい
- 写真立てやフォトフレーム型のデジタル機器:設定が難しく、更新されないまま止まる
- 大きな花束:世話が負担になることがある。鉢植えの小さなものや切り花のほうが喜ばれます
- 高価すぎるもの:気を遣わせてしまい、かえって使いにくくなります
モノより喜ばれることもある
現場で見ていて確実に言えるのは、いちばん反応がいいのは家族が来ることだ、ということです。予算をかけたプレゼントより、孫の写真や手紙、一緒に食事をする時間のほうが、あとあとまで話題になります。
遠方で会いに行けない場合は、贈り物に短い手紙を添えるだけでも違います。品物は使えばなくなりますが、手紙は残ります。
よくある質問
予算はどのくらいが適当ですか
3000円から10000円くらいが一般的なようです。ただし金額より、日常で使うものかどうかのほうが満足度に直結します。高価なものは気を遣わせてしまう面もあります。
施設に入居している場合、何を贈ればいいですか
施設によって持ち込みのルールが違うので、まず職員に確認してください。一般的には、名前が書ける衣類、軽いひざ掛け、口に合うお菓子(食形態の制限がなければ)などが喜ばれます。火を使うもの、においが強いもの、大きな家電は断られることが多いです。
食べ物を贈るときの注意点は
嚥下(飲み込み)の状態と、持病による食事制限を必ず確認してください。餅、こんにゃくゼリー、硬いおせんべいなどは、思わぬ事故につながることがあります。迷ったら、やわらかくて口の中でまとまりやすいものを選びます。
まとめ
敬老の日の贈り物で外さないのは、毎日使うもの、自分でできることを増やすもの、説明なしで使えるものです。介護シューズ、軽いケトル、見やすい時計、握りやすい食器、足元のライト。どれも地味ですが、確実に使われます。
2026年の敬老の日は9月21日(月・祝)です。当日に届くよう、配送の余裕をみて1週間前には手配しておくと安心です。
※持病や食事制限、施設のルールによって適切な贈り物は変わります。心配な場合は事前にご家族や担当のケアマネジャー、施設職員にご確認ください。

