本ページはプロモーションが含まれます
放課後等デイサービス、児童発達支援、介護施設。どの現場でも共通しているのが、記録に時間を取られるという悩みです。支援そのものより記録のほうが時間がかかっている、という日も珍しくありません。
記録業務を軽くするには、道具を「書く」「探す」「共有する」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。全部を一度に変えようとせず、いちばん詰まっているところから手をつけてください。
記録が重くなる本当の理由
現場を見ていると、記録に時間がかかる原因はだいたい次の3つに集約されます。
- その場で書けない:あとでまとめて書こうとして、思い出す時間が増える
- 探す時間が長い:前回の記録、個別支援計画、連絡帳。ばらばらの場所にある
- 同じことを何度も書く:連絡帳、日誌、記録システム。転記が発生している
道具で解決できるのは主に1と2です。3は運用ルールの見直しが必要になりますが、道具が変わると運用も変えやすくなります。
1|「書く」を軽くする道具
立ったまま書けるバインダー
支援中に机に戻る余裕はありません。硬質のクリップボードを1人1枚持つだけで、その場でメモが取れるようになります。A5サイズなら片手で持てて、ポケットにも入ります。
選ぶポイントは、クリップの力が強いこと(風で紙が飛ばない)、板が硬いこと(膝の上でも書ける)、そして安いこと。人数分そろえる前提なので、1枚数百円のものを人数分買うほうが現実的です。
胸ポケットに入る小型メモ
気づいたことを、気づいた瞬間に書く。これができるだけで、夕方に思い出す作業がなくなります。ロールタイプのメモや、裏が硬い小型のメモ帳が向いています。
濡れても書けるペンと用紙
入浴介助やプール活動のある施設では、普通の紙とペンは使えません。耐水のメモ帳と油性ボールペンをセットで置いておくと、その場で記録できるようになります。
音声入力を使う
スマートフォンやタブレットの音声入力は、ここ数年で実用的な精度になりました。送迎の待ち時間や記録前の下書きとして使うと、書く時間が大きく減ります。
注意点として、利用者の氏名や状態を屋外や公共の場で読み上げるのは避けてください。音声入力を使う場所と、使ってよい内容のルールを事業所で決めておく必要があります。
よく使う文をテンプレート化する
スマホやPCの単語登録(辞書登録)に、頻出する定型文を登録しておきます。たとえば「かつ」と打つと「活動に意欲的に参加され」と出るようにする。これだけで1日の入力量がかなり減ります。
注意したいのは、テンプレートに頼りすぎると記録が画一的になることです。事実の部分はテンプレート、その子固有の様子は自分の言葉で、と使い分けます。
2|「探す」を軽くする道具
インデックス付きのファイルと色分け
紙の書類が残っている現場では、色で分けるのがいちばん速いです。個別支援計画は青、モニタリングは緑、日誌は黄色、というように利用者ごとではなく書類の種類ごとに色を決めます。
人は文字より色を先に認識します。棚を見た瞬間に手が伸びる状態を作るのが目標です。
個人ファイルの中身の順番をそろえる
ファイルごとに書類の並び順が違うと、探す時間が毎回発生します。1枚目はフェイスシート、2枚目は個別支援計画、3枚目はモニタリング、というように順番を決めて、ファイルの表紙裏に一覧を貼っておきます。
スキャナーで紙を減らす
保護者から返ってきた同意書、医療機関の情報提供書。紙のままだと、必要なときに現物を探すことになります。ドキュメントスキャナーで取り込んでおくと、検索で見つかるようになります。
保存先と閲覧できる人の範囲は、個人情報保護の観点から必ず事業所のルールとして決めてください。
ラベルライターで棚を整える
地味ですが、効果は確実です。棚の位置に名前がついていると、戻す場所が決まります。戻す場所が決まると、探す時間が消えます。
3|「共有する」を軽くする道具
ホワイトボードは書く場所を区切る
大きなホワイトボードに自由に書くと、情報が流れて消えます。マグネットバーやテープであらかじめ枠を区切り、「今日の欠席」「送迎変更」「申し送り」のように場所を固定してください。
枠があると、書く側は迷わず、読む側は見る場所が決まります。
タブレットを1台、共有端末として置く
記録システムを使っている事業所なら、事務所のPCまで戻らずに入力できる端末があるだけで、記録のタイミングが変わります。スタンド付きにして置き場所を固定すると、紛失も防げます。
写真は撮る前にルールを決める
活動の記録に写真は便利ですが、個人情報の扱いが絡みます。撮影する端末、保存する場所、保護者の同意の範囲、削除のタイミング。この4つを文書で決めてから運用してください。決めずに始めると、あとから収拾がつかなくなります。
道具を入れる前に決めておく3つのこと
誰が何を書くのかを一枚にまとめる
同じ内容を2人が別の書類に書いている、という重複はよくあります。書類の一覧を作り、それぞれ誰が書くのかを記入していくと、重複と抜けが見えます。
「あとで清書」をやめられないか検討する
下書きしてから清書する運用は、単純に2倍の時間がかかります。最初から清書として書ける様式に変えられないか、一度検討してみる価値があります。
新しい道具は1つずつ入れる
一度に複数変えると、何が効いたのか分からなくなり、定着もしません。まずクリップボードだけ、次に色分けだけ、というように1か月に1つのペースが現実的です。
まとめ
記録業務を軽くするコツは、「書く」「探す」「共有する」に分けて、いま一番詰まっているところだけを改善することです。
すぐに始められて効果が出やすいのは、立ったまま書けるバインダーと、書類の色分けの2つ。どちらも数千円で、明日から試せます。まずはこの2つから始めてみてください。
※記録の様式や保存方法、個人情報の取り扱いは、事業種別や自治体の指導内容によって異なります。運用の変更にあたっては所属法人の規程と所管自治体の指示をご確認ください。


